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房総は勝浦駅前、三日月の名前なのに気軽な宿「三日月イン」と、元気一杯な和食店「海鮮本陣 魚祭(うおさい)」から発信。 ここでは肩肘張らずに、当館(店)や勝浦・房総のちょっとした見所のご案内ができればいいなぁ、と思ってます。
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日記担当めたぼ太郎です。

前回は飯縄寺をめぐって、波の伊八と北斎が、堤等琳を介してつながりました。
いよいよ今回、件の「神奈川沖浪裏」のモチーフになったとされる彫刻を見に行きましょう。

飯縄寺から車でおよそ30分、私の場合は迷うことプラス10分、いすみ市の内陸部に行元寺(ぎょうがんじ)というお寺があります。

話が少々脱線しますが、この行元寺は、徳川家御用彫物師、高松又八の彫り物が有名です。
高松又八は、江戸城や上野寛永寺・芝増上寺という名だたる城郭寺院にその彫刻を残したと伝えられてきましたが、ほとんどが戦災によって焼失してしまい、他の作品の存在が知られていませんでした。

行元寺のそれは、本堂の欄間と柱に装飾をほどこしたもので、西方の兵士のよろいの紋様をアレンジしたデザインあり、葵のご門あり、中国の紋様あり、そしてきじ(?)とぼたんの極彩色の彫刻・・・。柱も漆塗りです。痛みの激しかったこの欄間と柱は、ご住職や檀家の方の努力でそのきらびやかな装飾が復元されています。どことなくエキゾチックな香り漂うこの高松又八の彫刻も必見、ぜひ「続きは現地で」です。


さて、波の伊八に戻りましょう。

1806年頃、行元寺では、新しい客間の欄間の彫刻を伊八に依頼しました。ところが伊八は何も彫らず、お寺は気をもんでいました。ある日、伊八は何を思ったか住職に馬を借り、太東岬から海に入り、崩れる波の形を研究しました。帰ってきた伊八は、一気に彫刻を彫り上げました。

そう伝えられる作品が、これ、「波に宝珠」。

DSC_0424.JPG
欄間に外房の荒々しい波が見事に浮き上がってきます。欄間という枠に収まっているのが惜しいくらいの波。しかしこの枠からはみ出す、もっと大きな波が後ろに控えているんだろうな、と想像させてくれる波です。
この時代、波を横から、しかもこれだけ写実的に描く(彫る)手法はなく、その斬新さと技術が波の伊八の名をさらに高めたということでしょう。


実は同じ頃、葛飾北斎は木更津に出向いたとされています。北斎の師匠を介してつながった芸術家が2人。ご住職の話によれば、どうも久留里あたりで会って、一緒に行元寺へ、そして太東岬へ来たのではないか、とのこと。そこで北斎はこの波に宝珠も見たでしょうし、外房の荒波を生で見たことでしょう。(事情で、客間側しか撮影していませんが、)この欄間の裏側は、画像とは逆向きで、同じように荒々しい波が彫られています(ぜひ心の目で裏側を見てください)。そして、あの「神奈川沖浪裏」が誕生。

・・・どうでしょう。同じに見えませんか?

つまり、あの画の波は、伊八の波だ、とも言えるわけです。
北斎の波の大きさは、伊八の彫刻を見たインパクトの大きさ、ではないでしょうか。


※参考資料※
パンフレット 行元寺(行元寺作成)
毎日新聞 2008年1月3日付 千葉版

※画像掲載に関して※
ご住職様のご厚意により撮影、掲載させていただいております。写真はヘタですが、被写体の性格上、転載・2次利用はできません。



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